名靴との対話

こんにちは!天草製作所 西森です。

靴修理職人として日々さまざまな靴と向き合っています。

長年の経験の中で感じることは、靴はただの道具ではなく、作り手の情熱や技術が詰まった「作品」であるということです。そして、それを履く人の歩みとともに人生を共有する「相棒」のような存在でもあります。

今回のブログでは、修理で出会った名靴たちの魅力や、修理を通じて気づいたこと、靴作りの技術などを語っていきたいと思います。

最近の修理事例:グレンソンとステファノベーメル

グレンソン:伝統と現代性が融合する英国靴

先日、グレンソンのフルブローグが修理で持ち込まれました。ウェルトからソールまでしっかりとした作りで、英国靴ならではの伝統が感じられます。注目したのはグッドイヤーウェルト製法の精密さと、履き込むほどに現れるアッパーの風合い。

修理内容:オリジナルの雰囲気を壊さないよう、トップリフト交換を行いました。元々の革質が非常に良いため、軽いメンテナンスだけでも新品同様の輝きに。

職人の視点:グレンソンの靴は、英国らしい堅牢さの中にどこかモダンな感性が混ざっているのが特徴的です。修理しながらも、「ここはこんな風に作られているのか」と発見が多い靴ですね。

 

ステファノベーメル:芸術品としてのイタリア靴

別の日には、ステファノベーメルのハンドメイドシューズが修理に来ました。一目でわかる繊細なステッチワークや、足を包み込むようなフィット感。修理中もその芸術性に見惚れてしまいました。

修理内容:つま先修理、ヴィンテージスチールの装着を行いました。もともとステファノベーメルの靴は耐久性も高いのですが、オーナーの愛用ぶりが伝わる履き込みでした。

職人の視点:ステファノベーメルは、「靴」というよりも「アート作品」として捉えたくなるほど美しい仕上がりです。縫製や仕上げの細部に至るまで、修理する側も学ぶことが多いです。

靴修理を通して思うこと

名靴たちは、修理することでまた新たな命を吹き込むことができます。お客様から「修理してよかった」「また履けるのが楽しみ」と言われるたびに、この仕事の意義を感じます。そして、作り手の思いが込められた靴に触れるたびに、靴作りの奥深さを感じます。

これからも、さまざまな靴との出会いを記録していきますので、ぜひこのブログを通して「靴の世界」を一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!

 

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